石川雲蝶 第四講 座の報告
三条雲蝶会です。
豪華講師陣による雲蝶ガイド養成講座
テーマ 石 川 雲 蝶 ひと・ わ ざ ・ そ の 時 代
【 第 四 講 座 】の 報 告
日時 平成28年1月23日(土)午後2時~4時
会場 三条市総合福祉センター2階会議室
第一部 「越後のミケランジェロというがミケランジェロとは何者か」
講師 新潟大学教育学部準教授 田中 咲子 氏
たくさんの絵画資料を用意していただき、「ミケランジェロは何歳まで生きていたでしょう。」と問われました。資料に89歳とあり場内いっせいに「オツ」と。日本では戦国時代まっただなかです。89歳といえば現在でも長寿の層に入ります。まさにミケランジェロの年齢は驚きでした。
ルネサンスはいままで無視されてきた異郷(主にギリシャ)の文化を見直し人間性の肯定とそれを謳歌した時代です。レオナルド・ダ・ビンチ、ラファイロと並びこの時代を代表する芸術家がミケランジェロです。絵画「聖母子」、彫刻「ダビデ像」「ピエタ」が代表的ですがいずれも質感豊かな力強さが特徴です。
わけてもバチカン宮殿の建築を手がけ、システイ―ナ礼拝堂の天井画や正面の最後の審判は圧巻です。このようにミケランジェロは彫刻、絵、建築と多彩な人物でした。雲蝶の多彩さに通づるところがあるのではないでしょうか。
第二部 「世界の宗教建築に見る装飾美術」
講師 新潟大学教育学部準教授 田中 咲子 氏
ペルシャ戦争から話を起こされる。当時の世界の先進国で強力な統一国家が小さな都市国家の連合体であったギリシャ都市国家の戦いでした。『テルモヒュライのレオニタス』に描かれたギリシャ北部の戦い、300対2000の兵力差で奮闘するがほぼ全滅させられる。その間にペルシャへの備えをする余裕が生まれ、都市連合が生まれ、ペルシャに強く抵抗でき、勝利することができた。
戦争からの復興のシンボルとしてパルテノン神殿が建設される。そこには多くの装飾で埋め尽くされていました。残念ながらその多くはイギリスが持ち去り、現在ギリシャがその返還を求めています。最初に制作されたのが「巨人族との戦い」、「アマゾン族との戦い」、「ラピタイ人とケンタウロスの戦い」、「トロイ陥落」などギリシャ神話の戦いの場面をレリーフで、しかしそれはペルシャ戦争を暗示し、そしてその勝利を表現。その内側に「パナテナイア祭」を飾る。これは当時の民主国家の勝利を。外側の正面にある破風では「女神アテナの誕生」と「ポセイドンとアテナの領有権争い」を。自分たちの存在、民主制の誇示を表している。
そしてこの神殿の奥にアテナ神を据え、全体としてアテネの正当性を主張している。
西欧では掲げられた装飾美術も含めた芸術作品に込められた作者のメッセイージを読み解くことが日常的におこなわれています。それによって作品の価値も高まりますと結ばれました。
〖 第五講座のご案内 〗
日時 平成28年2月27日(土)午後2時~4時
会場 三条市総合福祉センター2階会議室
雲蝶さんからのメッセージ ”石川雲蝶の創造性“ 三条雲蝶会 江畑 徹
今までのガイド体験で受けた質問や感想、またガイドを通じて自分自身繰り返し雲蝶作品を見て感じたことと、本講座これまでの4回から学んだことなどを総合して、雲蝶の独創性がどこにあるか探究いたします。
講座「石川雲蝶の足跡と人柄」講師 新潟県民俗学会理事 高橋 郁丸氏
前回第四回講座では、ぐっと視野を広げて雲蝶芸術を見るためにグローバル、普遍的な基礎素養を涵養することを目指しました。
最後はまた、雲蝶その人に焦点を絞り込みます。高橋郁丸さんは雲蝶研究で名高いですが、その雲蝶へのアプローチの特徴は、文献研究もさることながら、関係者への聴き取りの綿密さにあります。雲蝶の曽孫にあたる酒井喜久さんのお宅に何度も泊めていただきながらお話を伺ったりされています。
そうした調査・研究から得られた雲蝶の人柄、足跡についてお話いただきます。
本連続講座も最後の第五講座を迎えます。いろいろな視点を多方面からいただきました。それをまとめる形で本講座を設けました。ぜひ多くの方から視聴していただきたいと思います。
お待ちしております。
豪華講師陣による雲蝶ガイド養成講座
テーマ 石 川 雲 蝶 ひと・ わ ざ ・ そ の 時 代
【 第 四 講 座 】の 報 告
日時 平成28年1月23日(土)午後2時~4時
会場 三条市総合福祉センター2階会議室
第一部 「越後のミケランジェロというがミケランジェロとは何者か」
講師 新潟大学教育学部準教授 田中 咲子 氏
たくさんの絵画資料を用意していただき、「ミケランジェロは何歳まで生きていたでしょう。」と問われました。資料に89歳とあり場内いっせいに「オツ」と。日本では戦国時代まっただなかです。89歳といえば現在でも長寿の層に入ります。まさにミケランジェロの年齢は驚きでした。
ルネサンスはいままで無視されてきた異郷(主にギリシャ)の文化を見直し人間性の肯定とそれを謳歌した時代です。レオナルド・ダ・ビンチ、ラファイロと並びこの時代を代表する芸術家がミケランジェロです。絵画「聖母子」、彫刻「ダビデ像」「ピエタ」が代表的ですがいずれも質感豊かな力強さが特徴です。
わけてもバチカン宮殿の建築を手がけ、システイ―ナ礼拝堂の天井画や正面の最後の審判は圧巻です。このようにミケランジェロは彫刻、絵、建築と多彩な人物でした。雲蝶の多彩さに通づるところがあるのではないでしょうか。
第二部 「世界の宗教建築に見る装飾美術」
講師 新潟大学教育学部準教授 田中 咲子 氏
ペルシャ戦争から話を起こされる。当時の世界の先進国で強力な統一国家が小さな都市国家の連合体であったギリシャ都市国家の戦いでした。『テルモヒュライのレオニタス』に描かれたギリシャ北部の戦い、300対2000の兵力差で奮闘するがほぼ全滅させられる。その間にペルシャへの備えをする余裕が生まれ、都市連合が生まれ、ペルシャに強く抵抗でき、勝利することができた。
戦争からの復興のシンボルとしてパルテノン神殿が建設される。そこには多くの装飾で埋め尽くされていました。残念ながらその多くはイギリスが持ち去り、現在ギリシャがその返還を求めています。最初に制作されたのが「巨人族との戦い」、「アマゾン族との戦い」、「ラピタイ人とケンタウロスの戦い」、「トロイ陥落」などギリシャ神話の戦いの場面をレリーフで、しかしそれはペルシャ戦争を暗示し、そしてその勝利を表現。その内側に「パナテナイア祭」を飾る。これは当時の民主国家の勝利を。外側の正面にある破風では「女神アテナの誕生」と「ポセイドンとアテナの領有権争い」を。自分たちの存在、民主制の誇示を表している。
そしてこの神殿の奥にアテナ神を据え、全体としてアテネの正当性を主張している。
西欧では掲げられた装飾美術も含めた芸術作品に込められた作者のメッセイージを読み解くことが日常的におこなわれています。それによって作品の価値も高まりますと結ばれました。
〖 第五講座のご案内 〗
日時 平成28年2月27日(土)午後2時~4時
会場 三条市総合福祉センター2階会議室
雲蝶さんからのメッセージ ”石川雲蝶の創造性“ 三条雲蝶会 江畑 徹
今までのガイド体験で受けた質問や感想、またガイドを通じて自分自身繰り返し雲蝶作品を見て感じたことと、本講座これまでの4回から学んだことなどを総合して、雲蝶の独創性がどこにあるか探究いたします。
講座「石川雲蝶の足跡と人柄」講師 新潟県民俗学会理事 高橋 郁丸氏
前回第四回講座では、ぐっと視野を広げて雲蝶芸術を見るためにグローバル、普遍的な基礎素養を涵養することを目指しました。
最後はまた、雲蝶その人に焦点を絞り込みます。高橋郁丸さんは雲蝶研究で名高いですが、その雲蝶へのアプローチの特徴は、文献研究もさることながら、関係者への聴き取りの綿密さにあります。雲蝶の曽孫にあたる酒井喜久さんのお宅に何度も泊めていただきながらお話を伺ったりされています。
そうした調査・研究から得られた雲蝶の人柄、足跡についてお話いただきます。
本連続講座も最後の第五講座を迎えます。いろいろな視点を多方面からいただきました。それをまとめる形で本講座を設けました。ぜひ多くの方から視聴していただきたいと思います。
お待ちしております。
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